注文住宅 名古屋の市場規模を昨年と比較

我が国では、不動産証券化の器(ビークル)として特定目的会社(SPC)、特定目的信託(SPT)、投資法人、土地信託、任意組合、匿名組合等が用いられるが、そのうちSPC、SPT及び投資法人において発行される証券等は証券取引法上の有価証券であるが、任意組合や匿名組合の場合の出資持分等や土地信託の場合の信託受益権は、「証券取引法上の有価証券」には該当せず法的には証券化とはいえず、いわゆる「不動産小口化」に該当する。
ここでは「証券化」は、広義の意味でいう「不動産証券化」を採用している。 つまり、「不動産証券化」とは、投資サイドからみれば、不動産及びその関連資産の保有・運営から生じる収益を各投資家に分配するためのスキームであり、ここでいう「証券」とは必ずしも証券取引法上の有価証券を意味せず、不動産からの収益の分配を享受する権利を化体したものであり、その器(ビークル)としてSPC、SPT、投資法人、任意組合、匿名組合、信託、米国におけるリート・パートナーシップ・LLC・レミック等といったものまで幅広く捉えることとしている。
従来、不動産会社等は企業の信用力を背景に不動産事業に係る資金を金融機関等からの借入や、証券市場における債券・株式の発行という方式(いわゆるコーポレートファイナンス)で調達してきた。 しかし、バブル崩壊以降、それまでの資金調達の主役であった金融機関には貸出余力がなくなり、さらに不動産不況により多くの不良債権を抱えた不動産会社自身の財務体質が悪化し、このような背景の下、不動産証券化による資金調達が注目され、喫緊の課題となっている。
不動産証券化による資金調達は、不動産開発プロジェクト自体の信用力や不動産の資産価値そのもの裏付けとしたプロジェクト・ファイナンスであり、ABS(資産担保証券)と同様に、我が国においては、新しい資金調達手段といえる。 さらに、この不動産証券化には、そのほかにも大きな意義がある。
例えば、投資家にとっても新しい資産形成手段となっている。 また、不動産証券化は個人資産が低迷する不動産市場の活性化要因となりうる可能性が大きく、バブル崩壊後の不良債権問題を解決するという観点からも、不動産や不良債権といったリスクの高い資産を証券化するための法的枠組みの必要性が高まってきた。
コーポレートファイナンスという「間接金融」からプロジェクト・ファイナンスという「直接金融」への流れが我が国においても時代の趨勢となりつつあり、これまで、我が国で中心的に行われてきた資金調達方法が大きく変わり、急速に多様化しようとしている。 1987年頃、不動産小口化商品(信託方式)が国内で販売され始めた。
物件の値上がりを前提として節税メリット(例えば、損益通算による所得税の軽減等)をうたったものであったが、流通性は低かった。 しかもバブル崩壊とともに、経営基盤の脆弱な不動産業者の倒産により投資家に被害が続出し、流行しなかった。

その後、1995年4月、一般の投資家が不動産投資に参加する一応の仕組みが「不動産特定共同事業法」によって整備された。 しかし、不動産特定共同事業法に基づいて提供される投資商品は証券取引法上の有価証券ではないため、流通性に欠け、厳密な意味では不動産証券化ではなく「不動産小口化」であった。
不動産事業で必要とされる資金量は圧倒的に多く、一般の投資家が不動産投資を行うためには、不動産の証券化は不可欠であり、1998年10月に我が国でSPCがスタートするまで、この不動産特定共同事業による証券化スキーム(任意組合型、匿名組合型、賃貸型等)を含め、以下の証券化スキームがあったが、その流通性はきわめて限定されており、流通は実質不可能であった。 そのため、新しい不動産証券化スキームが必要とされていた。
上記の背景のもと、さらに金融ビックバンの中で、1998年6月に「特定目的会社による特定資産の流動化の促進を図る法律(いわゆるSPC法)」が公布され、資産流動化のための新たな枠組みが提供された。 その基本的スキームは、資産流動化のためだけに存在する新たな法人形態であるSPCを創設して、SPCが発行した優先出資証券、特定社債券及び特定約束手形等が証券取引法上の有価証券に指定され、有価証券としての流動性を有する不動産証券化が実現した。
今日のように、債権だけでなく不動産の証券化も可能とされ、資産証券化の幅を広げ、さらに資産証券化の行政的規制をも緩和し、資産証券化の自由度が高められ、真の意味における不動産の証券化が可能となった。 SPCにより証券化された不動産は、不動産自体よりも、はるかに流動性が付与され、しかも、SPCの発行する証券は証券取引法上の有価証券に該当し、証券投資信託における運用対象ともなり、これによって不動産投資に対する需要を大いに喚起することが期待された。
また、1998年12月には、資産運用型スキームである「証券投資法人(会社型投信)」制度も創設されている。 さらに、2000年5月末、SPC及び会社型投信を改正する法案が成立し、新たな不動産証券化の仕組みが生まれた。
1.不良資産及び不良債権(不動産及びその関連資産)の解消近年の不動産証券化については、不良債権処理の一環として検討されはじめた点は否めない。 特にSPC法制定の背景にはそれがあった。

つまり、当時、金融機関等が抱える莫大な不良債権(不動産)の流通を促進することが不可欠であると判断されたが、既存の証券化スキームではその機能を果たせず、新しいメカニズムが必要とされた。 それは1998年6月のSPC法の成立につながったが、実際上、不良資産及び債権(不動産及びその関連資産)のみでは、証券化は困難であり、優良債権と不良債権がパックされた商品等となっている。
2.資金調達手段の多様化〜「間接金融」から「直接金融」へのシフト〜不動産保有者にとっては、不動産証券化は、当該不動産を分離し、新たな資金調達手段を提供するものであり、企業の新たな資金調達手段又はより低コストの資金調達手段という観点から、不動産証券化について積極的な取り組みが行われている。 結果的にはRE(株主資本利益率)やRA(総資産利益率)の向上をもたらす可能性もあり、財務体質の改善等に資するという効果も期待されている。
また、不動産証券化商品の対象となる資産は不動産そのものに限らず、例えば、不動産関係のローン債権の証券化もある。 そのため、このような不動産証券化により発行される証券等が市場で流通されれば、資金調達の多様化や資産の圧縮等にもつながる。
米国では、デベロッパーが開発資金を直接市場から調達するという「直接金融」方式が進んでいるが、我が国では、従来、不動産の流通、開発資金の調達は銀行・保険会社等からの間接金融にその大部分を頼っていた。 しかし、我が国においても、金融機関の整理再編とともに、不動産の流通開発等のため新しいスキームが必要になってきており、今後、更に不動産証券化による資金調達は加速されるであろう。
3.企業会計上のメリット保有する不動産を証券化することにより、その不動産の含み益を顕在化させることができる。

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